顔面神経麻痺の基礎知識

顔面神経麻痺のリハビリについて

 麻痺を発症してから約一年経過すると慢性期と呼ばれます。慢性期の主な症状は、筋力低下、異常共同運動、顔面拘縮、顔面痙攣の4つの要素からなります。理学的リハビリテーション(以下、リハビリ)では、麻痺側の表情筋の筋力強化を図り、後遺症としての機能異常を防ぐことを目的とします。

 神経の損傷部分が回復しても、その神経が再生して表情筋(顔の表情を作る様々な筋肉)を再び動かせるようになるまでには時間が必要です。もし、回復期に再生した神経が間違った表情筋を支配するようになると、不自然な動き(口まわりの運動を行うと目が閉じる、など)を生じることがあります。これを異常共同運動と呼びますが、これが重症化すると、笑うこと、喋ること、食事することなどの動作によって、麻痺側の表情筋が一塊となっていつも収縮していることになり、こわばった状態(顔面拘縮)となります。

 

 リハビリにより、それぞれの表情筋(口まわり、目まわり、額など)の動きの練習を適切に行うことで、筋力を強化できると同時に、異常共同運動の予防に役立ちます。詳しくは顔面神経麻痺のケアの項目のリハビリマッサージをご参照ください。

  しかし、リハビリやマッサージだけでは完全な回復は難しいこともあります。この場合には、それぞれの症状に応じた形成外科手術が役立ちます。

 

 

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