末梢性顔面神経麻痺の原因

ラムゼイ・ハント症候群(Hunt’s syndrome)

 ラムゼイ・ハント症候群は、略してハント症候群と呼ばれることが多いですので本説明も、以下、ハント症候群といたします。

 ハント症候群はベル麻痺とともに末梢性顔面神経麻痺の2大原因の一つで、顔面麻痺全体の10%ほどを占めます。ちなみに、ベル麻痺は全体の約70%程度です。原因は、小児期にかかる”みずぼうそう”のウイルス(水痘・帯状疱疹ウイルス)が顔面神経節内に残っており、体調不良や疲れ、ストレスなどにより免疫力が低下したときに、この潜んでいたウイルスの再活性化にともない顔面神経が傷害されて発症すると言われています。

 

 主な症状は、耳の周辺の発赤と小水痘(いわゆる”水ぶくれ”)、のどの痛み(風邪の様な症状)、耳鳴りなどで、ベル麻痺と区別がつきやすいものですが、ベル麻痺かハント症候群か区別のつかないこともあります。なお、ベル麻痺もハント症候群も他人にうつることはありませんが、まれに、2-3回かかる人もあります。ハント症候群は、ウイルスの抗体検査で確定診断を行います。

 治療は副腎皮質ホルモン(ステロイド)や抗ウイルス剤の投与ですが、発症後の治療開始が遅くなるほど、顔面神経麻痺の後遺症が残る確率が高くなります。また、ハント症候群の方がベル麻痺よりも麻痺の後遺症の割合が高くなります。

 

 

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